持続可能な経済の好循環をつくる 事業を通じた共通価値の創造

取り組みテーマと方針

テーマ

コミュニティとの協働・連携

7.エネルギーをみんなに。そしてクリーンに 8.働きがいも経済成長も 9.産業と技術革新の基盤を作ろう 11.住み続けられるまちづくりを 12.つくる責任、つかう責任 13.気候変動に具体的な対策を 17.パートナーシップで目標を達成しよう
方針 リコーリースグループは、約6,000社のベンダーに対する販売支援を行うことにより、約40万社のお客様の経済活動を支えています。当社グループが利益ある成長を持続するためには、従来型のリースによる事業展開に加え、社会、市場、お客様の変化に的確に対応し、リース以外の新たな提供価値を社会に創造することが重要です。また、日本に多く存在する中小企業を支えることが、地域経済を支えることにつながると考えています。
強みである北海道から沖縄までの全国の拠点網と地域ごとの経済環境を踏まえたお客様やベンダーへのきめ細かなサービス提供により、各地域の社会課題解決や地域経済の好循環を生み出すことを目指しています。
2022年度の実績・成果

ベンダーリースを通じた経済活性化

リコーリースは、創業時より販売会社と連携したベンダーリース(販売⽀援型リース)により、全国の中⼩企業が設備投資を⾏いやすい環境を整えてきました。ベンダーリースとはリース物件の販売会社(ベンダー)が、お客様に対する物件販売の商談と合わせ、リース会社に代わってリース契約まで完結する仕組みです。近年のコロナ禍においても⾮対⾯型営業であるインサイドセールス体制の構築やWebでの与信受付/回答、リース契約書出⼒システムを活⽤することで、販売会社がより効率的に、かつ利便性を感じていただけるサービスの提供を実現しています。これにより、遠隔地や離島の企業の設備投資案件にも対応できるだけでなく、近年増加している災害の復興に伴う設備投資案件に対しても柔軟な対応を可能としました。このように販売会社とのパートナーシップを通じ、都⼼部に限定することなく全国各地にリースサービスを提供することで地域のさまざまな課題解決に貢献していきます。

一般的なリースを説明する画像
ベンダーリースを説明する画像
ベンダー支援ツール利用率を説明するグラフ

デジタルトランスフォーメーション(DX)※1推進

当社はITを活用した業務効率化等、様々なサービス向上に取り組んでまいりました。2021年4月には、「DX戦略室」を新設し、ベンダー向け・お客様向けWebサービスの刷新や、契約をはじめとする各種手続きのデジタル化等、営業・業務戦略を支える施策に取り組みつつ、当社のDXを推進していきます。また、当社は2021年に経済産業省と東京証券取引所による「DX銘柄2021」の「DX注目企業2021」に選定されました。
「DX銘柄」は東京証券取引所に上場している企業の中から、企業価値の向上につながるDXを推進するための仕組みを社内に構築し、優れたデジタル活用の実績が表れている企業が業種別に選定されます。当社の選定は、経営におけるDXの位置づけや「AI技術を活用した与信モデル」等デジタル技術活用による既存ビジネスの変革が評価されたものと考えております。

DX推進のポイントと狙い・目的
  • ※1
    デジタルトランスフォーメーション(DX)とは
    「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」経済産業省の『DX推進ガイドライン』より

当社事業を支える高品質・高効率な業務体制

当社グループは、6,000社のベンダーと40万社のお客様とのお取引・ご契約に対して、高品質・高効率な業務体制で応えております。最適な組織体制への見直し、ITの活用、業務の改善活動等を通じて、業務プロセスを磨き上げてきました。今後はより高度化・複雑化していく取引への対応力を上げていき、10年後の全社生産性1.4倍を支える業務体制を構築してまいります。

農業分野(農業・畜産業)への取り組み

⽇本の農業・畜産業は、担い⼿不⾜や⾼齢化、⽣産量の減少などが進み、農業⾃体の持続性が⼤きな課題となっています。そのため新たな担い⼿の確保や⽣産性の向上が求められ、それに伴う農家の⼤規模化も進んでいます。当社は畜産農家の⽣産性向上や⼤型化による資⾦需要に応え、畜産農家で使⽤される機器類をリース・割賦などで提供し、またABLの⼿法を⽤いたファイナンス提供を⾏ってきました。畜産農家は⽣後数ヵ⽉の⼦⽜を仕⼊れ、⼀定期間肥育した後に⾁⽤⽜として販売しますが、肥育期間の資⾦を確保することが経営安定化に必要不可⽋です。⾁⽤⽜の資産価値に着⽬したABL※1を通じ、経営安定および事業成⻑機会を提供しています。また、農業では、農家の⼤型化に伴う農業機械などの資⾦需要に対し、農機メーカーや農機具中古事業者とタイアップし、残価付きリースなどのファイナンスを提供しています。引き続き設備投資のハードルを下げることを通じて、農業・畜産業の活性化や地域創⽣に貢献していきます。

  • ※1
    ABL(動産・債権担保融資):動産や売掛債権を担保に資⾦を貸し出す仕組み

提携企業(取次店)との取り組み

地域のお客様の設備投資のハードルを下げることを通じてお客様の成⻑機会に貢献するため、2022年度より新たな取り組みとして取次店紹介制度を開始しました。取次店紹介制度とは、地域⾦融機関や各種協同組合、税理⼠などの提携先様のお客様が設備投資を⾏う際に提携先様から当社グループを紹介いただき、お客様に対して総合的な⾦融サービスを提供するものです。当社が得意とする⼩⼝リース機能や、効率的なリーススキームなどを提供することでお客様の資⾦需要に適切に対応することが可能となり、当社としても資⾦需要がある先に効率的・迅速にファイナンスを提供することができます。2022年度は、34社と提携しました。こうしたパートナーシップを全国で推進し、提携先様とともに地域経済の活性化に貢献していきます。

取次店スキーム図

取次店紹介制度を説明する画像

債権保証事業の開始

鈴⽊ 啓之
戦略投資本部
保証ビジネス推進室⻑
鈴⽊ 啓之

法⼈間取引において発⽣する各種債権(売掛⾦など)の未回収リスクを保証する「債権保証事業」を2023年4⽉から開始しました。当社のDNAである40万社のお客様との取引データ(トランザクションデータ)のほか、1兆円を超える営業資産の積み上げ、低位な事故率を実現してきた審査能⼒を活⽤し、本格的な事業展開、拡⼤を⽬指します。お客様は当社のサービスをご利⽤いただくことで、各種債権の未回収リスクの低減、与信管理機能の拡充や、新規取引拡⼤に専念できるといった効果が期待できます。当社は、法⼈間取引に安⼼を提供することで、経済を活性化し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

事業概要

債権保証事業を説明する画像