ガバナンス リスクマネジメント

リスクマネジメントの考え方

不確実性が増す昨今、企業には事業活動に重大な影響を及ぼすリスクに対処するための体制整備が求められています。当社グループは社会的責任の重さを自覚し、損失の危機管理を網羅的・統括的に行うためにリスクマネジメント委員会を設置しています。
また、損失を未然に防止するためにリスクマネジメント規程を定め、万一損失が発生した場合の被害(損害)を極小化するための初期対応に関する手順を定めています。

リスクマネジメント推進体制図

リスクマネジメント推進体制図

リスクマネジメント委員会の役割

  • 経営リスク項目およびコンプライアンス関連項目に関する経営会議への上程
  • 進捗状況のモニタリングおよび経営会議への定期報告
  • 経営リスク発生時の対応窓口など

経営リスクの見直し

さまざまなリスクが存在する現代において、事業存続や経営⽬標の達成のためリスクマネジメントを実施しています。2022年度は、リスクが顕在化した時点で経営に影響を与える重要度と、発⽣する可能性(緊急度)の⾯から新たにリスクマップ分析を⾏いました。その結果、「経営への影響が⼤きくなりうる、または⽐較的⼤きく、いつでも起こりうる事項」と、「緊急度としては今後5年以内または5年超だが、リスクが発⽣した場合に経営への影響が⼤きくなりうる事項」を、優先的に対策を⾏うべきリスクとして特定しました。リスク項⽬ごとに担当委員会を定めるとともに、各委員会において他リスクとの連携が必要と判断した場合には、リスクマネジメント委員会にて討議を⾏います。また、リスク対応策のみならず、進捗状況の評価や必要に応じた計画の⾒直しなど、活動をスパイラルアップさせるためのプロセスを仕組み化しています。また、当社グループ会社であるテクノレント、エンプラスのリスクマネジメント進捗報告をリスクマネジメント委員会で共有しています。

特定した経営リスク項目と対応を審議する委員会など

リスク項目 委員会 リスク主管区
信用リスク 審査委員会 審査本部
事業投資リスク 投資委員会(ローンチ会議) 事業戦略本部
市場リスク
(金利リスク、流動性リスク)
ALM委員会 財務部
気候変動・人権リスク サステナビリティ委員会 経営企画部
雇用管理等リスク リスクマネジメント委員会 人財本部
災害等リスク リスクマネジメント委員会 総務部、経営企画部
情報リスク リスクマネジメント委員会 BPT本部
コンプライアンス(不正)リスク リスクマネジメント委員会 法務部

BCP・災害対策

東⽇本⼤震災の教訓を踏まえ、災害時に社員⼀⼈ひとりが的確に⾏動できるように⾏動マニュアルをその時の状況に合わせ再整備するとともに、地域ごとの防災訓練を毎年実施するほか、リコーグループ合同の災害対応訓練にも参加しています。訓練では、実際の災害発⽣時にスムーズに対応できるよう「災害時の初動対応(現地活動)」と「BCP(本部活動)」を分けて活動することとしています。「⼀⻫帰宅抑制推進モデル企業」認定を機に、通常の備蓄品はもちろん、本社・豊洲事業所での寝袋・枕の購⼊(他拠点は2023年度内⽤意予定)、主要拠点に災害情報収集⽤テレビ・蓄電池を配布し、インフラ復旧までの活動ができるようにしました。各拠点との通信⼿段については、IP無線を導⼊したことで、全国拠点での被災状況の確認や対策の検討が可能となりました。また、近年では特にゲリラ豪⾬のような局地的な災害が多く発⽣しており、ハザードマップにて拠点ごとの各種災害リスクを把握し、対応策の検討を進めています。

年度 主な取り組み
2018
  • リコーグループ防災訓練実施
  • リコーリース各拠点災害対応訓練実施
  • リコーグループ合同災害対応訓練(南海トラフ地震を想定:応用訓練)
2019
  • リコーグループ防災訓練実施
  • リコーリース各拠点災害対応訓練実施
  • リコーグループメッセージボードをリニューアル
2020
  • リコーグループ防災訓練実施
  • リコーリース各拠点災害対応訓練実施
  • 在宅勤務下を踏まえた防災マニュアルの全面的な見直し
  • 営業車防災バッグ導入
2021
  • リコーグループ防災訓練実施
  • リコーリース各拠点災害対応訓練実施
  • 地震発生時 事業所対応マニュアル作成(本社・豊洲)
  • Webサイト上での消防学習導入
  • 災害発生時、teamsでの安否情報共有開始
  • 一斉帰宅抑制推進モデル企業取得
2022
  • 災害時利⽤通信機器として、IP無線導⼊
  • 主要拠点⽤、災害情報収集⽤テレビ・災害時利⽤蓄電池購⼊
  • 寝袋・枕購⼊(本社150セット・豊洲250セット)
  • 社内掲⽰板にて防災通信発信開始

バリューチェーンマネジメント

企業には、事業活動が及ぼす影響力や影響範囲など、社会的責任を認識した事業運営が求められています。なかでもサプライチェーンにおいては、関係する企業や人々がおり、人権・労働・環境等の意図しないマイナス影響を回避または最小化する配慮が重要です。
当社グループは、「経営理念」に基づく、「サステナビリティに対する考え方」のもとに持続可能な社会を目指した取り組みを行っています。事業を通じて社会や環境の問題解決に貢献し、持続可能な社会の構築に積極的な役割を果たすことを目指し、社会への負の影響が大きい事業や企業に関しては、投融資等を禁止または抑制する「投融資における社会・環境への配慮に関する方針」に従い行動しています。リース事業を営む当社にとって、リース契約が終了した製品の確実な回収と適正な処分はリース会社にとって重要な責務であることを認識し、製品の回収および再資源化を委託するパートナーに対しては定期的・継続的に実地確認を実施しています。

品質マネジメント

変化し続ける社会のなかで持続的に発展していくには、お客様や社会に提供する商品やサービスの「品質」は重要な条件となります。品質問題は、経営上、大きな損失に発展する可能性もあります。品質管理は、トップから第一線の社員まで、全員参加で、自分の仕事のやり方を改善・管理する活動です。従来からの活動に加え、最近では“品質を高める(結果をよくする)ためには、プロセスをよくする必要がある”という考え方を浸透させる取り組みを進めています。主な活動として、問題発見・解決力向上を目指した「TTY(What then Why)研修」を開催しています。問題の特定、事実の可視化、要因分析による真因追究、その上で対策を講じていく考え方やスキルを定着させ、根本的な問題解決活動を進めています。