住まう(住み続けられる)コミュニティ創り・⽣活基盤の充実

取り組みテーマと⽅針

テーマ

住み続けられるコミュニティ創り

3. すべての人に健康と福祉を 7.エネルギーをみんなに。そしてクリーンに 8.働きがいも経済成長も 9.産業と技術革新の基盤を作ろう 11.住み続けられるまちづくりを 17.パートナーシップで目標を達成しよう
方針 リコーリースグループは、「医」「職」「住」の3つの領域で付加価値と差別化を図る戦略を推進しています。
「医」では医療機器のリースや医療・ヘルスケア分野のファイナンスソリューションなどを通じて、健康寿命の延伸に貢献します。
「職」ではBPO※1を軸に、中⼩企業の⽣産性向上を⽬指したサービスを提供しています。
「住」では住宅融資や賃貸事業を展開し、安⼼・安全な住環境の提供を図ります。
これらの分野での事業創出を通じ、社会課題の解決と豊かな未来の実現に寄与することを⽬指し、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。
  • ※1
    Business Process Outsourcingの略で、業務プロセスの⼀部を専⾨業者に外部委託すること。
非財務目標 医療関連施設 新規開業支援件数 2024年3月期実績192件 2026年3月期目標値200件

医療・ヘルスケア分野における開業⽀援の取り組み

当社は、医療・ヘルスケア分野におけるリース・割賦の知⾒やノウハウから、開業医向け融資「ドクターサポートローン」を提供してきました。また、ファイナンスだけでなく、専⽤のWebサイト「ドクターサポート」にて開業医に向けた情報提供を⾏うなど、多様なツールで開業医を⽀援しています。
当社の開業⽀援は、開業予定地の周辺⼈⼝・競合状況や不動産価格等、さまざまな経済条件を考慮し、開業医のニーズに合わせた提案を⾏っており、ロケーション調査から事業計画、資⾦調達、医療機器の調達、許認可業務に⾄るまで、開業までの道のりをトータルで⽀援しています。2023年度の好事例として、沖縄県北部における脳神経外科の事業承継と開業ニーズをマッチングさせた⽀援を⾏いました。医師不⾜が顕著なエリアへの事業承継と開業を両⽴させ、地域における医療アクセスの維持を実現しました。
クリニックの開業については、今後さらなる拡⼤が⾒込まれています。これまでに積み重ねた事例や知⾒を蓄積し、⾼い専⾨性と情報ネットワークによって、医療アクセスの向上や、地域包括ケアシステムの構築に貢献していきます。

Webサイト「ドクターサポート」のキャプチャ画像
  • Webサイト「ドクターサポート」
    クリニック開業を検討される医師向けに、診療圏調査や開業物件情報などを提供する無料の会員制サイト

Welfareすずらんを通じた介護業界の課題解決の取り組み

Welfareすずらんの運営を軸にリコーリースグループのシナジーを発揮し介護事業の拡大と業界の課題解決を目指す 取締役 専務執行役員 株式会社Welfareすずらん 代表取締役社長 佐野弘純

中期経営計画(以下、中計)の戦略の軸にある4つのマテリアリティの⼀つ、「豊かな暮らしをつくる」を定めた背景には、少⼦⾼齢化、労働⼈⼝の減少、地球環境保全、社会インフラの⽼朽化、ウェルネスの推進、デジタル化といった社会課題の解決があります。当社グループは「医・職・住」の領域で⾼付加価値化、差別化戦略を推進しており、⽣活基盤の充実と豊かで活⼒ある地域社会づくりに貢献しています。「医(医療・介護)」では、医療機器のリース・割賦、ドクターサポートローン、⼩型エコーのレンタルなどの展開により、医療環境の充実と健康寿命の延伸に貢献しています。「職(職場・オフィス)」では、集⾦代⾏サービスや介護報酬のファクタリングといったBPOサービスを軸に中⼩企業等の⽣産性向上に貢献しています。「住(住居・まちづくり)」では、住宅関連融資、住宅賃貸事業などを通じ、住まいの安⼼・安全・快適さを提供することで暮らしやすいまちづくりの実現を⽬指しています。
中計では、事業成⻑戦略の⼀つ「事業&サービス付加による多様化」で介護を重点事業分野としており、介護業界に従事する⽅の業務負荷軽減といった課題解決にも取り組んでいます。
2022年12⽉には、株式会社Welfareすずらんを⼦会社化しました。同社は愛知県名古屋市を中⼼に、住宅型有料介護施設8施設のほか、認知症対応型グループホームや障がい者グループホームを運営しており、きめ細かな対応による⾼品質なサービス提供が特⻑です。また、住宅型有料介護施設には介護福祉⼠、看護師を有する訪問介護ステーションや訪問看護ステーションを併設し、介護保険サービスに加えて医療依存度の⾼い⼊居者様のケアを⾏っています。
今後は3つの施策を推進していきます。1つ⽬は、不動産事業者や介護機器メーカーとの連携により、最新設備の導⼊・運⽤、新商品・サービスの開発を進め、新たな形の施設を展開していきます。
2つ⽬は、ITツールの導⼊による効率化を推進し、さらなるサービス品質の向上を⽬指します。グループ会社のテクノレントと連携した排泄センサーのレンタルや、出資先のエイアイビューライフ株式会社の⾒守りシステムの導⼊などを検討しています。ご利⽤者様へ質の⾼いサービス提供を⾏うとともに職員の利便性の向上を図ります。
3つ⽬は、職員の処遇改善や組織改⾰を⾏い、働きがいのある職場環境を整えることで、職員の定着率を向上させ、安定した施設運営を推進していきます。これらに加え、当社グループで蓄積してきた医療・ヘルスケアや介護ファクタリングの知⾒、住宅・不動産業界のお取引先との連携など、当社グループの経営基盤を融合させることで、さらなるシナジーの発揮と事業成⻑を実現していきます。

エイアイビューライフへの出資と現状の取り組み

当社は、社会的な課題である介護事業の⼈⼿不⾜や介護従事者の労働負荷、それらに付随する業務効率化に貢献するため、2023年12⽉にエイアイビューライフ株式会社の株式を取得しました。
エイアイビューライフが提供する「⾃⽴⽀援型介護 ⾒守りロボット A.I.Viewlife」(以下、⾒守りロボット)の販売においては、現状補助⾦を使った導⼊が半分以上を占めていますが、補助⾦を使わずに導⼊したいニーズもあります。そこで、リース、レンタル等のファイナンスを活⽤した導⼊拡⼤を⽬指し、当社が保有する全国にわたる取引基盤や、これまで蓄積したベンダーリースのノウハウを活⽤していく予定です。
また、グループ会社であるWelfareすずらんの⼀部施設に、⾒守りロボットを導⼊しています。⾒守りロボットは、事後の検知よりも予測に強みを持っているため、⼊居者の⾏動および体動データを予め検知し、⾏動や体調の変化の早期把握が可能かどうかなど、検証を進めていきます。
今後も事業・サービスの共同開発を⾏い、介護サービスのICT化を⽀援することで、安⼼な介護、⾒える介護を実現していきます。

介護事業者への建物リースの取り組み

急速な⾼齢化を背景に介護サービスの需要が⾼まるなか、介護サービスを利⽤する⽅々が⼊居する施設の供給不⾜が課題として挙げられています。
このような課題に対し、当社は医療・ヘルスケア分野における事業性の評価や、不動産分野において培ったノウハウを活かし、建物リースを提供することで、介護事業者の資⾦調達を⽀援するとともに、介護サービスを必要とする多くの利⽤者のニーズに応えています。
今後はこの取り組みを展開していくことに加え、介護事業者のオペレーションに関する知⾒を⾼めていくことで、介護分野への提案の幅を広げ少⼦⾼齢社会における豊かな暮らしの実現に貢献していきます。

非財務目標 集金代行稼働サービス数 2024年3月期実績17,861サービス 2026年3月期目標値20,000サービス

地域⾦融機関における集⾦代⾏サービスの取り組み

BPO本部 マーケティング課⻑
⾼橋 健治

当社では、地域⾦融機関と連携し、地域⾦融機関のお客様である中⼩企業のお困りごとに対し、リースをはじめとする当社の多様な商品・サービスを提供しています。
「お客様の売掛⾦を⼝座振替で回収したい」という中⼩企業のニーズに対し、地域⾦融機関によってはサービス提供を⾏っていない、サービス提供は⾏っているものの引き落とし⾦融機関が限られている、あるいは少ない請求件数には対応していないなど、さまざまなケースがあります。そのようななか、幅広い⾦融機関からの引き落としが可能で、かつ請求件数1件から対応している当社の集⾦代⾏サービスを提供することで、地域⾦融機関のサービスを補完でき、中⼩企業とその先のお客様双⽅にとっての利便性向上につながっています。
今後も地域⾦融機関との提携を拡⼤し、回収⼿段の多様化を通じて中⼩企業の⽣産性向上に貢献していきます。