近代⽇本経済の⽗といわれる渋沢栄⼀⽒が書いた『論語と算盤』には、現代の企業のサステナビリティ経営に通じる価値観が盛り込まれています。ここでは、栄⼀⽒の⽞孫(5代⽬の孫)にあたる、コモンズ投信株式会社 取締役会⻑ 兼 ESG最⾼責任者の渋澤健⽒をお招きし、「リコーリースの中⻑期視点での価値創造とサステナビリティ経営」をテーマに、当社社⻑の中村と対談を⾏いました。
(2023年9⽉実施)。

- 『論語と算盤』は現代の企業経営そのもの
出版当時の⽇本は、激動の時代を経て、ある程度豊かになっていた背景から、事なかれ主義が蔓延し、栄⼀は新しいチャレンジがないことに憤りを覚えていました。「⼤正維新の覚悟」という章に、事なかれ主義に陥ると新たなチャレンジをしなくなるなど、現代に通ずることが書かれています。また、「こういう状態が続くと、これから憂えることが起こるかもしれない」と書かれたとおり、栄⼀が亡くなった1931年に満州事変が起こっています。「何のため」の問いはとても重要ですね。Whyはパーパス、「何をやっているか」はWhatでミッション、「どこに⾏くのか」はWhereでビジョン、「どうすればいいか」はHowでバリューと整理できます。Whyを社⻑や社員が共通の価値観としている会社は期待できます。なぜ⾃分は存在しているのかという哲学的な問いかけをする動物は⼈間しかいません、AIにもできません。会社で働く⼀⼈ひとりが主体性を持って、価値をつくり続けていくことが重要です。

- 経営理念の「共感」が新しい創造を⽣む
- 循環創造企業として果たすべき役割は
そのとおりです。リース&ファイナンス事業では、お客様の設備投資のハードルを下げることで、企業の成⻑機会を後押しする価値を⽣みます。お客様が設備投資によってどのような成⻑を遂げられるかを意識することで、やりがいや誇りが⽣まれます。⼤事なのは、対話を通じてお客様の成⻑機会をとらえ、次のステップ、その次のステップとリーチしていくことです。当社はリース&ファイナンス事業からはじまり、現在では、集⾦代⾏などのサービス事業、太陽光発電事業などのインベストメント事業を展開するまでに⾄っています。⼀⽅、当社では、このようなサステナビリティ経営を通じて⽣み出した利益を、私達が⽬指す未来実現のために社会へ還元することを⽬的として、当期純利益から年間配当額を差し引いた1%を寄付資⾦とする「豊かな未来積⽴⾦」制度を有しています。利益処分となるため、株主総会において株主の皆様の理解を得た上で運⽤しています。このように豊かな未来実現に向けた取り組みについて、各ステークホルダーの理解を得ながら、⼀緒に進められるよう努めています。

- サステナビリティ経営の要は「⼈財」
