クリーンな地球環境をつくる 気候変動の緩和と適応

テーマ背景とSDGsへの対応

テーマ

気候変動の緩和と適応

7.エネルギーをみんなに。そしてクリーンに 9.産業と技術革新の基盤を作ろう 12.つくる責任、つかう責任 13.気候変動に具体的な対策を 17.パートナーシップで目標を達成しよう
テーマ背景とSDGsへの対応 日本国内において2050年までにカーボンニュートラルの宣言が行われ、気候変動への対応、脱炭素社会の実現は世界共通の課題です。当社グループは、徹底的な省エネで自社の“GHG(温室効果ガス)排出ネットゼロ”を目指すとともに、再生可能エネルギーの普及や環境配慮型製品の拡大等、事業を通じた取り組みを推進することで脱炭素社会の実現に貢献します。また、気候変動が自社の事業に及ぼす影響をリスクと機会の両面で把握・評価し、的確な対応と情報開示に努めます。
アプローチ
  • 再生可能エネルギー分野への取り組み
  • CO2排出量中長期目標達成

中長期CO2削減目標

二酸化炭素(CO2)を中心とした温室効果ガスの増加により、世界各地では自然環境や人の暮らしにさまざまな影響や被害が現れており、その深刻さから「気候変動」ではなく「気候危機」といわれています。2015年に気候変動の緩和に向けて合意されたパリ協定以降、国際社会すべてに対策が求められ、企業においても事業活動における温室効果ガスの排出削減に取り組むことが求められています。当社グループは、2017年から中長期CO2削減目標を設定し取り組みを行ってきました。しかし、科学的な知見と整合した温室効果ガス削減目標を求める国際枠組み「SBTi」※1が、目標設定の基準をそれまでの「2℃を十分に下回る」から「1.5℃」に引き上げたことを受け、2050年にバリューチェーン全体のGHG排出ゼロとする目標に変更しています。新たな長期目標の達成に向けて、当社グループにおけるリスクと機会を把握し、マテリアリティの一つである「クリーンな地球環境をつくる」の取り組みで社会課題の解決に貢献していきます。

  • ※1
    SBT(i Science Based Targets initiative):気候変動による世界の平均気温の上昇を、産業革命前と比べ1.5℃に抑えるという目標に向けて、企業に対し科学的知見と整合した削減目標を設定することを推進している共同イニシアティブ

中長期CO2削減目標と実績(スコープ1+2)

中長期CO2削減目標と実績

TCFDへの対応

2017年の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)による提言を受け、中長期にわたる気候変動関連のリスクと機会の把握に基づいたGHGの大幅削減や、気候変動への適応に向けた取り組み要請等、企業への期待が益々高まっています。また、2021年に改訂されたコーポレートガバナンスコードにおいてもTCFDの要請に沿った開示が求められています。
こうした社会の動向を踏まえ、当社では2019年8月にTCFD提言へ賛同を表明し、2020年度は賛同企業や金融機関が議論する場であるTCFDコンソーシアムに加盟しました。
TCFD提言に基づいて、気候変動が当社グループの事業に与えるリスク・機会を分析して経営戦略・リスクマネジメントに反映するとともに、適切な情報開示を進めていきます。

TCFDのロゴ

気候変動リスク・機会の財務への潜在的影響の把握

*:影響があると考えられる

気候変動リスク/機会 主な潜在的な影響 L&F事業 サービス事業 インベストメント
事業
移行リスク 政策と法 炭素税引き上げ 脱炭素社会における、炭素税や燃費規制といった政策強化や規制強化に対応しコストが発生します。
省エネ・低炭素規制
政策変更
訴訟
テクノロジー 低炭素製品への置換 CO2削減に向けた最新環境技術、リサイクル技術を提供するための開発、事業開発のコストが増加します。
新技術への投資の失敗
低排出技術に移行するためのコスト
市場 顧客行動の変化 気候変動、温室効果ガス削減への貢献度が商品購入やサービス利用の要因となり、市場からの需要状況に影響します。
市場の不確実性
評判 産業セクターへの非難 環境面での対応の可否によって、企業活動や事業活動の評判に影響します。
ステークホルダー懸念
物理的リスク 急性的 極端な気象事象
(洪水・干ばつなど)の増加
保険料高騰による影響および顧客事業へ影響を及ぼします。
従業員への影響による収益の減少とコストが増加します。
台風頻発
慢性的 降水パターンの変化 気象状況により再生可能エネルギー設備がその機能を発揮できず、資本コストが悪化、投資リターンに影響します。
平均気温の上昇
海面上昇
機会 資源効率 高効率商品への移転 再生可能エネルギー設備への投資、自家発電設備の導入による再生可能エネルギー供給ビジネスによって、事業機会の創出を実現します。
エネルギー源 より低排出のエネルギー源の使用 より効率のよいエネルギー源の使用や、これを促進する政策インセンティブを利用することで、サービスの拡大につなげられます。
政策インセンティブの利用
レジリエンス 強靭性・レジリエンス より効率のよいエネルギー源の使用や、これを促進する政策インセンティブを利用することで、サービスの拡大につなげられます。
製品とサービス 低排出商品およびサービスの開発および拡張 グリーンボンドの発行、ESG投資の推進により、資金調達と金融市場での環境配慮商品を拡大し、事業機会の創出につなげられます。

TCFDのフレームワークへの対応

ガバナンス

これまで当社グループの「リスクマネジメント委員会」にて、財務上のリスク評価・予防計画の策定後、経営会議において、経営判断がなされてきました。2020年4月には、気候変動関連課題に関する最高責任委員会となる「サステナビリティ委員会」を新設しました。当委員会はサステナビリティ推進担当役員を委員長とし、常務執行役員以上およびサステナビリティ・ESG課題に直面する本部長により構成されています。四半期に一度開催され、議論するテーマに応じて事業部門の責任者を招集し、サステナビリティ課題を中長期的な視点で横断的に検討・議論しています。気候変動リスク項目の見直しやリスクおよび機会のアセスメントを行い、その結果が中期経営計画に事業戦略として組み込まれ、各事業年度の目標に反映されています。

戦略

当社グループでは、重大な財務上の影響を把握するため、気候変動や自然災害リスクなどのリスク評価について、財務面での定義を内包した「経済的影響」と「発生頻度」の2軸で評価しています。また戦略上での影響については、経営会議において物理的リスク対策等を協議しています。これらのリスクは、「リスクマネジメント委員会」で管理され、「経営会議」にて討議決定しています。同時に、『循環創造企業へ』という中長期ビジョンのもと機会を実現するため、中期経営計画において再生可能エネルギーの拡大による環境負荷低減と事業の拡大を目指しています。適用した気候変動シナリオは、RCP2.6シナリオとSBTi1.5℃シナリオで、BAU、急激なビジネスモデル変化、技術開発やイノベーションなどのいくつかのシナリオを考慮しています。

リスク管理および指標と目標

当社グループでは、会社レベルリスク(経営リスク)、資産レベルリスク(悪天候、洪水などの自然災害による事業所や施設への損害・損失など)、評判リスク(コンプライアンスリスクなど)を考慮しています。「低炭素社会への移行リスク」と「気候変動の緊急性/慢性の物理的リスク」の分類に基づき、新たな目標の設定と対応を始めています。2020年より、リコーグループがSBTiの1.5℃目標策定・認定を受けたことで、当社グループも新しい中長期CO2排出削減目標として、Scope1,2については2050年までに排出ゼロを目指し、2022年、2030年の目標を再設定しました。